2泊4日のニューヨーク (27) 「JAZZ STANDARD」というジャズ・クラブ
ニューヨークの夜のお楽しみの一つに、ライブハウスってのがあります。
僕の本当の音楽上の好みはR&Bなのですが、事前のネット・チェックでは行きたいライブが、この時期全く引っかかってきません。
ブロードウェイのミュージカルもしいて言えば「ヘアー」位で、あまり強烈に見たいというものがありませんでした。
なので、ライブ系の事前の予約はすべてなし(というか、今回はフライトとホテル以外は全くの白紙状態で出かけたのですが、結果としてこんなに色々なことをやっちゃってます・・・)、何処に行くか?何を見るか?は、すべてニューヨークに着いてから街角に置いてあるフリー・ペイパーなどを見て、成り行きで決めました。
f0036857_1072891.jpg

これはランチを食べながら見ていた「THE VILLAGE VOICE」の音楽ライブ情報欄からの切り抜き。
カンサスシティー・ジャズ?
ビッグ・ジョー・ターナーの影響を受けた?
それ良いんじゃない、僕に向いてるかも・・・こういうのは「直感」です。
店のこともネットで調べます。
どうもジャズの世界では名の通った大人向きの店のようです。
「JAZZ STANDARD」という直球のネーミングも良い感じ。
パーク・アヴェニューとレキシントン・アヴェニューの間の27丁目にありました。
f0036857_1075028.jpg

ウィークエンドは日に3公演、その他は2回の公演のようです。
1回目の公演が終わる頃にあわせて店に到着。
地下のレセプションにいる気さくなオニーさんに
「予約はないんだけど、1人で大丈夫?
僕はツーリストで、ここが始めてのジャズ・クラブなんだ。
でも、めちゃジャズが好きで、ここに来るのを楽しみにしてたんです。
食事はしないで、飲み物だけが希望なんだけど・・・」
と、すでに席が埋まりかけている盛況ぶりにちょっとあわてて、かなり「殺し文句」(笑)を並べたてます。
するとオニーさん、ウィンクして(笑)
「大丈夫、任せといて。
良い席がありますから。
たっぷりジャズが聴けますよ」
と。
言ってみるものですね(笑)。
必死で頭の中で英作文した甲斐がありました(笑)。
f0036857_1081899.jpg

通されたのは真ん中の大きなテーブル。
その前の方には6人組のグループが・・・そこから1席置いて、僕だけそのテーブルの後ろ端に。
ステージからわずか2~3メートルの真正面という良い席でした。
ホールのスタッフもとてもフレンドリー。
飲み物しか頼まない僕にも、愛想たっぷりです。
チップ弾んじゃうしかないかな?って気にもなっちゃいますね、これは(笑)。
僕以外の客層は大体カップルかグループ。
たいていは食事をしています。
演奏が始まりました。
小柄な初老のテナー奏者のテナーが僕の好みです。
つまりジャズの中でもかなりブルージーでグリッティー(gritty)・・・すごくR&B臭いのです。
僕は基本的にR&Bファンなので、「頭でっかち」風(笑)のジャズは好きではありません。
ルーズな音を連発していても、それが全体にグルービー(groovy)さを感じれば、それでOKという主義なのです。
誰、この人?
すごく背が小さいけど・・・。
席に置いてあるパンフを見てみます。
JAMES ”RED” HOLLOWAY?
あ、レッド・ハロウェイ・・・それならR&Bファンの僕でも知っている名前です。
50年代末から60年代にかけて、シカゴを中心に沢山のR&Bシンガーのバックに入っていた人です。
道理で、ファンキー(funky)さも抜群なはずです。
確か60年代にはファンキー・ジャズの第一人者(日本のジャズ・ファンの間で評価されているかどうかは分かりませんが・・・)”BROTHER”  JACK MCDUFFとも良く一緒にやっていた人だと思います。
バックを固めるリズム陣もすごくグルービー。
絶対白人では出せない下卑た音がファンキーです。
知識派(笑)のジャズと違って大衆芸能としてのジャズ、レッドのユーモア溢れる語り口、キーボードやベーシストとの漫才調の会話も何となく分かる感じ。
爆笑の観客を豪快なテナーとファンキーなリズム陣であおりにあおります。
途中に入る観客の感極まった小さい合いの手やうなり声も、良い感じです。
f0036857_1091780.jpg

で、出てきました。
今日の主役、ケヴィン・マホガニー(KEVIN MAHOGANY)。
ジミー・ラッシングやジミー・ウィザースプーンより更にR&Bに近かったビッグ・ジョー・ターナー(BIG JOE TURNER)のフォロワー。
体は超BIG、小柄なレッドとまるで漫才コンビのような対照ぶりです。
曲と曲の間も客をいじりながらの爆笑トーク、笑わせては、教養としてのジャズでは全く「ない」コブシの効いた心からの歌・・・あぁ、僕は良い日に来たものです(笑)。
お決まりの
「何処から来たの?」
の観客いじりトークで、ステージ前のグループが一斉に
「デトロイト~~~!」
と。
「あぁ、デトロイト、良い街だよね」
とケヴィンが返すや、ベーシストが、デトロイトと言えばモータウン(Motown)レコード、そのモータウンの代表的なヒット曲、テンプテーションズの「マイ・ガール」のイントロを引き始めます。
もう会場は割れんばかり・・・。
何度も書きますが、僕、こういうムード、大~~~い好き(笑)。
会話は全部理解できませんでしたが、このパフォーマーと観客との一体感は最高でした。

でも、この日は音楽以外にハプニングがありました。
それは料理を運ぶウェイターが僕の近くで転倒、多分タルタル・ソースだと思うのですが、白いソースが僕のジャケットを直撃してしまったのです。
量的には少しだったのですが、そのウェイター、周囲のウェイトレス、マネージャー・・・もう皆大慌てです。
特にマネージャーは平謝り。
「クリーニング代を弁償しますのでお許しください」
僕がツーリストで、すぐニューヨークを離れる予定なことを言うと
「ショウ・チャージを無料にさせていただくことでお許しいただけますか?」
と。
かかったソースはたいした量ではなかったので、もちろんOKとしました。
なので、今回のショウ・チャージがいくらだったか分かりません。
多分20ドルくらいかな?
得したのか損したのか分かりませんが、面白いハプニングでした。
by shackinbaby | 2009-04-20 00:03 | 旅行 | Comments(6)
Commented by まっつん at 2009-04-12 08:37 x
俺はよくわからんけど、君は音楽のことになると生き生きするな
Commented by shackinbaby at 2009-04-12 21:34
>まっつん
やっぱ俺、音楽>旅行なんかなあ?
Commented by エガ at 2009-04-14 14:54 x
私もこんなムード大~~好きです
もうマイガールのイントロと観客の歓声が聞こえてくるような
「みんな!楽しんでね!!」という気持ちがよく伝わって
いいな、すごくいい旅ですね
Commented by shackinbaby at 2009-04-14 17:47
あ、エガさん、お久しぶりです。
ちょっとお顔が見えなかったので、少し心配してましたよ~。
お元気でしたか?
確かまだ釜山のお話も伺ってなくて・・・。
「マイ・ガール」のフレーズが出てきて、それがアメリカの観衆と同時に共感しできた喜びがはうれしかったですね。
深夜のTVのトーク・ショウの英語が良く分からなくて、観客は爆笑しているのに僕は??・・・でも音楽が絡むと、こんなにも簡単に共感しあえる・・・音楽って最高!って思えますね、こういう時。
Commented by エガ at 2009-04-26 01:00 x
そうなんです
釜山報告ができないのと娘の里帰り出産で(まだ生まれてないのに)
なんだかんだと忙しくて
釜山はいつになるか…ですがコメントは書かせて下さいね
でもこんなに英語が解れば楽しさも倍増でしょう
いつも羨ましく思いながら読んでいます


Commented by shackinbaby at 2009-04-26 12:18
>エガさん
コメント、お待ちしていました。
そうでしたか、もうすぐお嬢さんのご出産ですか、それは楽しみですね。
そして何かとお忙しいことでしょう。
釜山報告はいつでも結構ですので、個人アドレスのほうにお送りくださいね。楽しみにしています。
英語だけはどういうわけか昔から苦じゃなかったんですよ。
英語はユニヴァーサル・ランゲッジですから、世界中たいていどこでも通じます。言葉が少しでも通じると(逆に「少しだけ」のほうが良いのかもしれません・・・)、海外旅行が俄然楽しくなりますよね。
一度個人旅行をしてしまうと、パッケージ旅行は出来ません。
現地の人との「触れ合い」度が全く違いますものね、旅行の記憶がより鮮明になって、更にこうしてブログに写真も残しておくと、いつまでたっても旅とそれを取りまく状況の記憶が脳裏に浮かびます。
名前
URL
削除用パスワード


<< 2泊4日のニューヨーク(28)... 我が家も花見 >>