思い出のホテルオークラ本館 (1) 山里
「過ぎ去りしもの、すべてが美しい」と書いた8月25日の「お疲れ様、あと1週間ですね」の続きです。

日本を代表する、いや本当に日本を代表した「ホテルオークラ東京」の本館がいよいよ建て替えられることになりました。
半世紀以上、国内外のVIP達を迎えてきましたが、老朽化が進み、営業は今月末で終了です。
数々の意匠を凝らした本館建物の取り壊しを惜しむ声は、僕らだけではなく、海外のセレブ達からも上がっていると・・・。
「オークラ・ランタン」と呼ばれるつり下げ式の照明に、梅の花を模した机と椅子が配置されたメインロビー。
東宮御所にも使われた多胡石で作られた波状紋の壁。
故・谷口吉郎氏が設計委員長を務めた本館は「日本モダニズム建築の最高傑作」ともいわれています。
開業は東京オリンピックを2年後に控えた1962年の5月。
今後の計画では、11階建ての本館(408室)を取り壊した跡地に41階建てと16階建ての2棟を建設、客室数を計510室程度に増やして、2019年に開業の予定とのことです。
別館は本館建て替え中も営業を続けるそうです。

そんな「ホテルオークラ東京」、まだ本館・別館両方が営業していた6月までに泊まりたかったのですが、ここで「ワンハーモニー」のポイントを一挙に使おうともくろんでいた僕は、あと少しのところで1泊分にポイントが足らず、結局宿泊出来たのは8月になってからでした。
宿泊のことも書くつもりですが、まずは食べたものから。
僕の「ホテルオークラ東京」のイメージは食事の美味しいホテルというイメージなのです。
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ホテルには本館・旧館に和食の「山里」、寿司の「久兵衛」、鉄板焼きの「さざんか」、中華の「桃花林」と「チャイニーズテーブル・スターライト」、フレンチの「オーキッドルーム」と「ラ・ベル・エポック」、ワインダイニングの「バロンオークラ」、オールデイダイニングの「テラスレストラン」と「カメリア」。
この他にバーも数軒あります。
なるべくいろいろなところで「ホテルオークラ東京」本館最後の食事にしようと、まずは和食の「山里」に行ってみました。
場所はあの有名な本館5階ロビー(ここはロビーが5階なんです)からすぐの階段を下りて行ったところ。
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この階段の下に「美味しいものが待ってるんだ」と心躍らせて、何回この階段を下りたことでしょうか。
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このところ何年も来ていませんでしたが、以前とほとんど変わっていないような気がします。
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今となっては年季が入っているというべきか、それでもどこも清潔に保たれていて、いかにもプロといった接遇と合わせて、背筋が伸びる思いで店内に案内されます。
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こういう装飾品もどこか気品があります。
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あ~、このデザイン、良いですねぇ。
「和」の雰囲気にモダンさを少し加えたて実に凛としたもの、大袈裟にいうと僕は「和モダン」の元祖のような気がしています。
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ナプキンの置き方も独特のもので、男性スタッフがベテラン過ぎて、目配りを含めてやや慇懃無礼気味なところもあるのに対して、女性スタッフたちのプロらしい応対に感心しきり。
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最近は高級和食店といえども、このレベルまでにはなかなか行きにくいレベルかもしれません。
まだ若いお譲さん達だったので、顔の部分はカットしました。
着物の色で上席の人が分かります。
男性は黒服姿。
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メニューは多岐にわたり、一品料理からコースまでかなりな種類があります。
お値段はなかなかな値段がそれぞれ付いていますが、え~~い、最後だ、頑張っていろいろ食べちゃいましょう(笑)。
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「鯛のあら炊き」?「すっぽん丸仕立」?
結局は「旬」というお昼のコースに、好きな1品を加えた僕オリジナルのコースに・・・。
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一の膳が運ばれてきます。
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刺身は鯛、お椀は海老真薯、それに海老の乗った豆乳の滝川豆腐が付いています。
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滝川豆腐とは川の流れを表したもので、ところてんもイメージしているようです。
夏に良く出てきます。
どれも良い意味で標準の味、特に出汁はこれこそ東京(江戸)和食の味!と思えるもの。
考えてみれば、僕は社会に出てハレの日にここに来てはこの出汁の料理を食べてきたのですから、もう僕の中に刷り込まれているのでしょう。
もちろんこれは人によってそれぞれかも、グルメな方は「いやいや・・・の方が」はもちろんあるでしょうが、僕はここなのです。
次は僕がこの時食べたかった賀茂茄子の田楽。
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こんな洋風だけど和デザインの皿に乗って出てきます。
あしらいの魚は太刀魚。
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いや~、これもしみじみ旨い、この茄子も上手な作りですが、田楽の味噌が美味しいです。
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濃いんだけど、濃すぎない、滋味がある・・・。
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二の膳はこんな風。
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焼き物は鱸のレモン焼き、天麩羅は鱧と夏野菜、長茄子の煮物の蟹あんかけ。
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季節をしっかり感じさせながら、美味しく食べさせてくれます。
おろしとか天つゆとか、そういうものすべてが旨いです。
鰻ご飯も本当に最高でした。
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とろろをかけて鰻とろ丼にして食べますが、この鰻のたれの最高なこと。
「日本人で良かった」系に満足しました。
ここはご飯の代わりが出来るので、白ご飯のお替りももちろんもらいましたよ。
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香の物も、しっかり熱々の状態で出される味噌汁もしみじみ旨い・・・。
もしかしたらこの2品でどんぶり飯2杯は食えるかと思う程でした(大袈裟)。
ちょっと僕の思い出が入り過ぎて、過大評価気味なのはお許しください。
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デザートはアイスクリーム。
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これも良いなぁ、すごく標準の味でした。
うん、これで思い残すことはありません、ご馳走様でしたぁ。
なお会計はすべてで約1万円でした。
by shackinbaby | 2015-08-29 18:56 | グルメ | Comments(2)
Commented by nagi at 2015-08-29 22:20 x
王道の料理、大変に美味しそうです!
鰻とろ丼は反則ですね。
ご飯を食べ過ぎてしまいますw
Commented by shackinbaby at 2015-08-29 22:55
>nagiさん
僕はここを和食の基本の味を出すところと思っています。
もちろんそれは人それぞれ違うでしょうが、僕はここです。
もっと高級とされているところにはあまり通うチャンスはなかったし、ここは僕の青春後期~人生の充実期にずっとハレの日のレストランであり続けたので、もうここの味が刷り込まれてしまってるんでしょう。
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